大原孝治の経営方針とは

ドンキホーテホールディングスの社長、大原孝治氏はその手腕などが各界から高い評価を得ていますが、そうした評価される点の中に経営判断の速さというものがあります。国内外に400以上の店舗を数え、2020年の目標である500店舗の達成が目前に迫ってきた2017年10月、1つの店舗の閉店が話題となりました。

その店舗は、2017年2月にオープンした神保町靖国通り店です。わずか8カ月でのスピード閉店となりました。通常、新規店舗をこれだけの早さで閉店させるということは、チェーン展開をしているグループなどでは見られないことです。ドン・キホーテの客層である、ラフな買い物を楽しむ層がこのエリアには少なかったこと、そして土日の人通りが少ないことということなどが閉店の理由だと大原孝治社長は話します。ただ、失敗してしまったと思っても、そのようなスピード撤退は企業のイメージ戦略的にもあまり行いたくないという企業が多いです。しかし、大原社長はこの閉店した店舗は、自社が所有する物件であることなどを理由にダメージが無いとの素早い判断を下し、損失を最小限に済ませることができました。大原社長がこのような、損切りの場面でも非常に優れた判断を下せる理由には、居抜き物件を主にして出店することによるコストカットや、そのお店ごとの権限を強める個店主義の体制を取っていることに他なりません。こうした他の小売り大手ではなかなかできないことをやってのけるところが、大原孝治の経営の凄いところといえます。

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